睡眠障害
様々な病気の総称
睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題がある状態をいいます。眠れなくなることはよくみられますが、眠れないことイコール不眠症ではありません。不眠の原因には、環境や生活習慣によるもの、精神的・身体的な病気から来るもの、薬によって引き起こされるものなど、様々です。
さらに、睡眠障害には不眠だけでなく、昼間眠くてしかたないという状態や、睡眠中に起きてくる病的な運動や行動、睡眠のリズムが乱れて戻せない状態など、多くの病気が含まれます。また、睡眠の問題は1つの原因や病気だけでなく、いくつかの要因が重なって起こってくることも多くみられます。
睡眠の何が問題なのか、その原因は何か、主観的症状と客観的情報を多面的に検討・整理することが、適切な診断と治療につながります。
睡眠障害によって引き起こされる問題
睡眠障害によって引き起こされる問題は私たちの暮らしのいたるところに出現します。
日中のけだるさや集中力の低下が引き起こされると、日々の暮らしに支障をきたし最悪の場合事故に至るケースもあります。
また、睡眠不足が長期化するとうつ病や生活習慣病にまで発展することもあります。
こうしたことから、睡眠障害には早めのうちから適切に対処することが肝心です。
睡眠障害のサイン・症状
睡眠障害のサインは以下のように4つに大別されます。
  • 1)不眠
  • 2)日中の過剰な眠気
  • 3)睡眠中に起こる異常行動や異常知覚・異常運動
  • 4)睡眠・覚醒リズムの問題
自覚できる症状
不眠
(寝つきの悪さ、途中で起きてしまい再入眠できない、朝早く起きてしまう、熟睡できない)
精神疾患や身体疾患、服用薬、下記の睡眠障害をチェック。
そのうえで不眠症かどうか判断。
過眠
(日中眠くてしかたない、居眠りをして注意をされる)
睡眠不足や睡眠の質が低下する病気がないか、チェック。
もし、夜十分眠っているのに日中眠い場合は、過眠症を調べる。
就寝時の異常感覚
(脚がむずむずしたり火照ったり、脚をじっとさせていられないためによく眠れない、夕方以降に悪化)
むずむず脚症候群を調べる。
睡眠・覚醒リズムの問題
(適切な時刻に入眠できず、希望する時刻に起床することができない)
睡眠日誌で睡眠・覚醒リズムをチェック。
概日リズム睡眠障害を調べる。
人から指摘される症状
いびき・無呼吸
(いびき、眠っているときに息が止まる、突然息が詰まったようにいびきが途切れる)
体重、飲酒、服用薬をチェック。
睡眠時無呼吸症候群を調べる。
睡眠中の異常行動
(寝ぼけ行動、寝言、睡眠中の大声・叫び声)
夢との関連性、起こして覚醒するかどうか、チェック。
睡眠時随伴症を調べる。
睡眠中の異常運動
(寝入りばなや夜間に、脚がピクピクと動いている)
就床時の異常感覚についてチェック。
周期性四肢運動障害を調べる。
睡眠衛生について
睡眠障害の症状理解と共に、睡眠衛生についてもチェックしておくことが大切です。
  • 寝室環境(騒音、日当たり、寝るときの明るさ、テレビやラジオ)
  • 睡眠習慣(床に入る時刻、床から出る時刻、実際に眠りに入る時刻、実際に起きる時刻、寝るときに習慣的にすること、昼寝)
  • 嗜好品(飲酒、喫煙、コーヒーなどのカフェイン類)
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