原則として当院にて治療中の患者さまを対象として、予約制として各種心理療法を施行いたしております。
毎週月曜日、金曜日、土曜日に実施しております。女性2名、男性1名の臨床心理士、公認心理士、産業カウンセラーが心理療法をおこないます。
一般のカウンセリングでは、患者さまの状況や経緯、お困りのことなどのお話を伺いながら、ご本人さまの考えの整理をお手伝いしたり、新しい考え方をごいっしょに探してまいります。
当院では、まずは心理療法とはどういうものかを知っていただくために、30分枠のカウンセリングも設けております。
さらに患者さまの状態に応じて、より専門的な認知行動療法、心理教育、自律訓練法、リラクゼーション法(呼吸法、筋弛緩法)、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)など各種の個別の心理療法を実施いたします。
なお心理療法には保険診療は適用されず、自費診療となりますのでご注意ください。1回のセッションの費用は下表のとおりです。
|
カウンセリング(30分)
|
3,300円(税込み)
|
|
カウンセリング(50分)
|
5,500円(税込み)
|
|
認知行動療法(心理教育、ACT(アクセプタンス・コミットメント療法)を含む)(50分)
|
5,500円(税込み)
|
|
リラクゼーション法・自律訓練法(30分)
|
3,300円(税込み)
|
|
EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)(90分)
|
9,900円(税込み)
|
【キャンセル・ポリシー】
心理治療の予約日前日までのキャンセルにつきましては無料です。当日のキャンセルにつきましては治療額の半額を申し受けておりますのでご注意ください。
「上司や同僚とうまくいかず仕事へ行く気になれない」「家庭でトラブルが多くて気分が休まらない」「友人がなかなかできない。会話が続かない」「大勢の前だと緊張してしまう」etc…対人関係が発生する様々な場所で、悩んだりストレスを感じることが多々あると思います。ストレスにさらされ続けた方は、気分が落ち込みやすくなったり、ストレスの状況を避けるようになったり、パニック発作が生じたり、様々な症状に形を変えてSOSを出すようになります。
こんなときには、心理士とのカウンセリングによってストレスに対する考え方やイメージを変えること、誰にも話せなかったことを聞いてもらえる事、あるいは誰かに話して整理してもらうことで、もっと気持ちや症状が楽になる方がたくさんいらっしゃいます。
また、社会適応に困難を感じ、なかなか就労できない方々への就労支援施設への紹介なども行います。
30分枠、50分枠の2つの枠組みのカウンセリングを設けております。
認知行動療法は、日常生活の中で経験する不快な出来事や状況、対人関係などのストレスに対して、私たちがどのように考え、どのようなイメージを持って受け止めているのか(認知)に着目し、そこに働きかけていく心理療法です。出来事そのものを変えることが難しい場合でも、受け止め方や考え方を見直すことで、心の負担を軽くし、行動の選択肢を広げていくことを目指します。
治療の目的は、カウンセリングの場だけで症状を和らげることではなく、ストレスに直面したときに、より柔軟で現実的なものの見方や考え方を身につけ、最終的には治療者の力を借りずにご自身で対処していけるようになることです。そのため、日常生活の中で取り組むホームワークも治療の一部として位置づけられており、実生活の中で少しずつ変化を積み重ねていく点が、認知行動療法の大きな特徴です。
認知行動療法は、まず現在の生活の中でどのような場面に困りごとが生じているのかを、時間をかけて丁寧にお伺いすることから始まります。症状だけを切り取るのではなく、どのような出来事がきっかけで、どんな考えや気持ちが生まれ、どのような行動につながっているのかを、カウンセラーと一緒に整理していきます。
次に、こうした話し合いを通して、患者さんが無意識のうちに繰り返している考え方のパターンや、感情の動きに注目します。その中から、今のつらさに影響している可能性のある「考え方」や「行動」を見つけ出し、どこに働きかけると変化が起こりやすいのかを検討していきます。これは「考えを否定する」作業ではなく、より現実的で楽になる見方や、負担の少ない行動の選択肢を増やしていく過程です。
治療が進むと、カウンセリングの時間だけでなく、日常生活の中で取り組める簡単な課題(ホームワーク)を行っていただくことがあります。これは、日々の生活の中で気づきを深めたり、新しい考え方や行動を少しずつ試してみるためのものです。次のカウンセリングでは、その実践について一緒に振り返り、うまくいった点や難しかった点を確認しながら、次のステップを考えていきます。
文章だけで読むと難しく感じられるかもしれませんが、認知行動療法では、理解を助けるための図やシートなどのわかりやすいツールが用意されています。これらのツールを使い、カウンセラーが一つひとつ丁寧に説明しながら進めるため、初めての方でも無理なく理解し、自分のペースで取り組むことができます。治療は常に患者さんと相談しながら進めますので、負担を感じすぎることなく安心して続けていただけます。
うつ病の方を対象に始まった心理療法ですが、現在では社会不安障害、パニック障害、強迫性障害、統合失調症など様々な症状に対象が拡大しています。(例:「仕事で失敗した後の落ち込みがひどい」「人前で話すときに緊張してしまうため、そういう状況を避けるようになってしまった」「電車で突然めまいや吐き気のようなパニック発作が起き、以後電車に乗るのが怖くなった」「何度も手洗いを繰り返してしまう」etc…)
心身の自己管理能力を高めることを目的に、心理士による呼吸法、筋弛緩法等のリラクゼーション法の紹介を行っています。ストレスを感じると筋肉は緊張し、不眠や頭痛、腹痛の身体症状の原因ともなります。
日常の緊張度を安定させる目的で用いる場合は、呼吸法、不安時の緊張を鎮める目的の場合は筋弛緩法の紹介をします。リラクゼーション法の紹介と合わせて、心と身体の関係についてもお伝えし、日常生活の中で、身体のサインに気づき、セルフケアができるようになることを目指します。
パニック障害、社会不安障害、強迫性障害、心身症、不眠症の方で、日々のストレス・緊張状態によって、不眠・腹痛・頭痛・肩こり・腰痛などの身体症状に悩まされている方に向いています。薬物療法と並行して、ご自分の生活の中でのセルフケアの方法を身につけたい方はご相談ください。
自律訓練法はリラクゼーション法の一つで、身につけることによって、ストレス反応を自分で予防したり、緩和したりすることができるようになります。特にパニック障害や社会不安障害等の方や心身症の方々にとって、症状の緩和のみならず再発の予防にもなります。
自律訓練法は、「気持ちが落ち着いている」などの簡単な言語を頭の中で繰り返すなど、誰にでも身につけやすいリラクゼーション法であり、練習によって日常生活の色んな場面で実施できるようになります。それゆえに、自分で行えるケア(セルフケア)の方法として優れていると言われています。
当院では認知行動療法の一環としてリラクゼーション法を用いていますが、自律訓練法のみの実施も行います。
不安障害全般(パニック障害、社会不安障害、強迫性障害、全般性不安障害)、ストレスによる身体症状に悩まれておられる方(気管支喘息、過換気症候群、過敏性腸症候群、心因性嘔吐、耳鳴り、睡眠障害、吃音、多汗症・・・)など、適応の対象範囲が広いのが特徴です。リラクゼーション法と同様に、不安や緊張に由来する身体症状の緩和のためのセルフケアの方法を身につけたい方向けです。
心理教育とは、個別の疾病に必要な知識や情報(疾病によって引き起こされる諸問題や諸困難と対処法や工夫)ともに考えることによって、主体的な療養生活を営めるよう援助する方法のことです。
不安障害(パニック障害・社会不安障害・強迫性障害)の改善には、一時的な不安の改善だけでなく、その後不安のマネジメントスキルを獲得していくことが、治療の中で図ることが大切です。自分の病気を理解し、再発予防と再発時のセルフケアを可能にできるように、不安障害の方向けの心理教育を心理士が行っています。
心理教育は、1回のセッションで行いますが、その後継続的に、認知行動療法やリラクゼーション法を希望される方にも対応いたします。
対象となる疾患は、パニック障害・社会不安障害・強迫性障害です。薬物療法と並行し、疾患のマネジメントスキルを身につけたい方はご相談ください。
通称アクトと呼ばれる、臨床行動分析学に基づいた心理療法の一つで、認知行動療法やマインドフルネスが取り入れられている、第3世代の認知行動療法の中心的な技法の一つです。従来の認知行動療法が、苦痛を感じる考え方を減らしたり、消したりする方向を目指すことに対して、ACTでは、そうした苦痛とともにいかに生きていくか?戦わずにいかに受け入れるか?を考えることが主目的です。
ACTはどのように進められるか?
初期に患者様のお困りの状況を詳しくヒアリングしながら、患者様の抱えている思考や感情が、どのように日常生活を苦しいものにしているかをお聞きします。その上で、皆様の苦痛への対処やコントロールへの努力がどのような結果となっているかを確認します。
*ここまでは従来の認知行動療法のステップとあまり変わりがありません。
その後、苦痛との戦いを手放すことを目標とし、「今、この瞬間」の自分の体験を積極的に受け止めるためのワークを行います。苦痛を感じる考え方を変えたり、消そうとするのではなく、苦痛をよく観察し、苦痛をじっくりと味わい、抱えながら自分自身が主体的に自分自身の価値観に添いながら生きていけることを目指します。カウンセラーは、セラピー内でのエクササイズとホームワークを通して、患者様がご自身でセルフケアができるようにサポートいたします。
ACTは、うつ病、不安障害などの「疾患」前提ではなく作られています。対象とするのは「言葉のもつ悪影響に振り回されることによって起こる心理的な非柔軟性」が問題となっている場合です。そして、「自分が生きたい(行きたい)と思う方向に向かって人生を歩めているか」を重視します。こころの中の悩み・苦痛にとらわれて、自分自身を生きている感覚が持てない方は、是非ご相談ください。
EMDRは、つらい体験や心に強く残った出来事によって生じる不安や緊張、気分の落ち込みなどの症状を和らげるために開発された心理療法です。1980年代に、強いトラウマを抱える方の治療として研究が始まり、特にPTSD(心的外傷後ストレス障害)に対する効果が確認されたことで、世界的に広く用いられるようになりました。
EMDRの特徴である「眼を動かす」という方法は、偶然の気づきから生まれました。研究の過程で、眼を左右に動かしているときに、つらい記憶に伴う感情や身体の緊張が和らぐことがあると分かり、これを治療として体系化したのがEMDRです。その後の研究により、眼の動きなどの左右交互の刺激が、脳の中で停滞していた記憶の処理を促し、自然な回復の仕組みを助けることが明らかになってきました。
このような背景から、EMDRは単なる「不思議な方法」ではなく、脳の働きを活かした心理療法として発展してきました。現在ではPTSDに限らず、さまざまな心の不調やストレスに対しても役立つことが分かっています。過去の出来事を無理に詳しく話す必要はなく、ご自身のペースを大切にしながら進められるため、心への負担が少ない治療法です。比較的短い期間で変化を感じられる方が多いことも、EMDRの特徴のひとつです。
EMDRは、通常のカウンセリングと同じように、まずこれまでの生活やご経験、現在困っている症状について丁寧にお話を伺うことから始まります。症状そのものだけでなく、どのような経緯や背景があって今のつらさにつながっているのかを大切にしながら、患者さんと相談し、安心して取り組める無理のない治療計画を一緒に立てていきます。治療の進め方やペースについても、十分に説明し、ご理解・ご同意を得たうえで進めます。
心の不調やつらい症状は、過去のつらい体験や強いストレスを伴う出来事が、脳の中でうまく整理されないまま残っていることが原因になっていると考えられています。そのような記憶は、時間が経ってもふとよみがえったり、現在の出来事に過剰に反応してしまったりすることで、不安や緊張、気分の落ち込み、身体の不調として表れることがあります。EMDRでは、こうした「整理されずに残っている記憶」に安全な形で働きかけ、心の中で少しずつ消化・整理が進むよう促していきます。
治療では、過去のつらい記憶を無理のない範囲で軽く思い浮かべながら、カウンセラーの指の動きを目で追うという簡単な眼の動きを繰り返します。この作業は、つらい体験を詳しく語る必要はなく、感情を無理に掘り下げるものでもありません。眼の動きを用いることで、これまで止まっていた記憶の処理が自然に進み、症状の軽減とともに、本来誰もが持っている心の回復力が引き出されていきます。
1回のセッションは約90分です。治療中は常に患者さんの状態を確認しながら進め、つらさが強くなった場合には休憩を取ったり内容を調整したりしますので、無理に我慢したり、つらさを抱え込む必要はありません。ご自身のペースを大切にしながら、安心して受けていただける治療法です。
EMDRは、PTSD、うつ病、パニック障害、社会不安障害、恐怖症、強迫性障害などの方に用いられてきた治療法です。加えて、診断名がはっきりしていない場合でも、過去のつらい体験や忘れたい出来事、失敗への強い不安や恐怖が、現在の生活の中で心や体のつらさとして続いている場合にも効果が期待できます。
「思い出すと苦しくなる出来事がある」「理由ははっきりしないが不安や緊張が抜けない」などのお悩みがある方も、対象となる可能性があります。まずはご自身の状態についてご相談ください。