憂うつである、気分が落ち込んでいる、夜眠れない、不安である、食欲がない、やる気がない、などの症状を総合して「うつ状態」あるいは「抑うつ状態」とよびます。
ですから、「うつ状態」というのは一群の症状のことであって、病気の名前ではありません。頭痛、発熱と同じ意味合いになります。
発熱する病気の種類がたくさんあるのと同様に、うつ状態となる病気もたくさんあるのです。
心の病気ばかりでなく、体の病気や薬の副作用でもうつ状態となることがあります。
うつ状態という症状を呈する病気のひとつに「うつ病」があるとお考えください。
頭痛、発熱を呈する病気のひとつに「インフルエンザ」があるのと同じですね。
うつ症状イコールうつ病だ、と一般に思われがちですがそうではないということです。
学校、職場や家庭でストレスがあると、誰であろうと憂うつで元気がなくなり、ある程度のうつ状態になるのは自然です。これらはストレス反応や適応障害としてのうつ状態ですし、軽い症状の場合は「健康なうつ」とでも呼べるかもしれません。うつ症状があるからうつ病であるとは限らないのです。
しかし、ストレスの度合いが強く、うつ状態が重症となればうつ病と診断されることがあります。
厚生労働省の患者調査によると、気分障害患者数が2008年には104.1万人と増加していると言われています。うつ病は縁遠い病気ではなく、どなたにとっても身近な病気です。
引用:厚生労働省みんなのメンタルヘルスより